日刊日本金属通信企業訪問-北日本サッシ工業株式会社-

企業訪問-北日本サッシ工業株式会社-

企業訪問
北日本サッシ工業

資本金 1000万円
強口照雄社長

本社=北海道北見市東相内町288-6
☎0157-36-5721

 東北営業所=福島県郡山市池ノ台20‐1

北日本サッシ工業が拠点を置く北海道北見市は、タマネギ生産量が全国一と農業が盛んなエリア。1965年(昭和40年)にサッシメーカーとして設立した同社は、67年にタマネギ貯蔵用鋼製コンテナを新規開発。以来、野菜などを入れる農業用鋼製コンテナで実績を積んできた。しかし価格競争力のある中国製が席巻し始めたこともあり、業績が悪化。2010年に伊藤忠丸紅鉄鋼グループの富安(強口照雄社長)の事業会社となり、業容を拡大。急速に業績を改善し、復活を遂げている。

業績回復を助けたのが、4年前に生産開始した太陽光発電パネル架台だ。もともとサッシメーカーだったことから架台に加工する装置を保有していたことも、新規事業、太陽光発電パネル架台の開発・生産に寄与した。同社は雪国・北海道ならではの耐雪性能を備えた架台を、設計段階から手掛けていることが強み。道内を中心に太陽光発電パネル架台需要の取り込み、新生・北日本サッシ工業となって5年の間に売上高は10倍増。収益も大きく伸ばしている。

太陽光発電パネル架台の展開は、さらに加速させていく。2014年に富安とともに農業用鋼製コンテナと組み合わせた太陽光発電パネル架台システム「基礎一体型架台」を開発。今年から販売を本格化し、新たな架台需要の取り込みを狙う。コンテナ内に砂利や瓦礫、発生土、高炉のスラグなどを詰めて架台を支える仕組みの同商品。架台設置時に地面に杭などを打ち込まずに済むため、地盤が固い場所や、これまで設置が難しかった地域での太陽光発電パネル設置を可能にするものだ。

「この基礎一体型架台は北海道から全国に発信していける画期的なもの。福島再生にもつなげられる」。そう強口照雄社長は新架台の拡販に自信を見せる。また、「北日本サッシ工業の活性化、地域の雇用創出が、地方創生のモデルケースになれれば」と期待を示す。現在の社員数35名は近いうちに50名程度に増やしていく計画。地元には北見工業大学もあり、地域の若者たちを取り込みながら、より多くの雇用を生み出していく考えだ。

丸紅時代にメキシコや米国、ドイツなどで計20年以上の海外赴任経験を持つ強口社長は「これまで海外80カ国巡ってきたが、北の大地が自分にとっての“約束の地”となった」と語る。「いずれ北日本サッシ工業がオホーツクで一番の企業になれるよう努力したい」とも。